吉田一穂文学碑ー古平町

吉田一穂(よしだいっすい)は、大正・昭和期の詩人、評論家、童話作家。

渡島管内の木古内町に生まれ、7歳から古平で育ちました。

上京して1926年(大正15年)に出版した処女詩集「海の聖母」で詩壇に衝撃を与え、若山牧水や北原白秋らとともに親交を深めます。

「自ら白鳥古丹(かむいこたん)と呼んでいる古平は、私の幼少時代を過ごした土地であり、北日本海の怒涛と吹雪の中から荒寥たる積丹半島は私の精神の源泉の地だ」 吉田一穂の随筆から 

 古平を「白鳥古丹(かむいこたん)」と名付け、その風土を愛し続けました。
また、児童文学との関わりも深く、1922年に童話「ふる郷へ」「古時計」を発表するなど、その本格的な文筆活動の始まりは児童詩への執筆でした。
専門詩人の間で、吉田一穂ほど畏怖されている存在はありません。
ただ孤高で俗流詩人と肩を並べることを好まず、ジャーナリズムをも蔑視してきました。
 
「海の聖母」
  あゝ麗はしい距離(ディスタンス)
  常に遠のいてゆく風景・・・・・
  
  悲しみの彼方、母への
  捜り打つ夜半の最弱音(ピアニシモ)
 
吉田一穂に関する資料は、小樽文学館に保存されています。
一穂が靖国神社に捧げた鎮魂歌碑、詩集『海の聖母』の「漁歌」の碑、「白鳥古丹」の碑が古平町にあります。