道立北海道文書館(もんじょかん)が、1960年代の半ばに民放テレビ局が制作した「新たに視聴区域となった市町村の紹介番組」のフィルムを保管していました。半世紀も前の65市町村の映像ですから、今は失われてしまった町や村の風景です。ネットに載せることはできませんので感想を含めて紹介します。

尚、このCDは現在「北海道立図書館北方資料室」にあります。
私が借りた時は「北海道立文書館」でしたが変わりました。

 

名寄 1964年(昭和39年) 28分 白黒 音声なし    

映像は上空からはじまり名寄盆地が眺められます。北海道の5大盆地の一つである名寄盆地が非常に広いということがよくわかります。これは珍しい映像です。

名寄駅
宗谷本線の名寄駅に汽車は到着。次々と下車し駅前にでてきて駅の正面が映ります。私はこの駅を昭和38年に降り立ったことがありました。映像は駅前の商店街を通っていくので大変懐かしく拝見していました。

映像は商店を丁寧に映して行きます。山田デパート、西條デパート、名寄信用金庫、北海道銀行、北海道相互銀行、北洋銀行、北海道拓殖銀行、名寄印刷所とつづきます。にぎやかな街中は大都市に来たという繁栄ぶりです。

再度、上空にもどり空から山々に移り、森から樹木と迫ります。
そうして、町の郊外に高い煙突のある工場が映ります。「天塩川製紙名寄工場」でした。

また、上空にもどり山々が映り、今度は木材工場内部で流れ作業で規格品を大量生産しています。

酪農
牛の放牧風景が映り、乳しぼりから集乳缶を集めて工場では缶詰を生産していました。おそらくバターではないとか思います。

学生
土管(ドカン)を埋める作業をおこなっています。音声がないので何をおこなっているのか確かではありませんが、泥炭地の水を抜くために土管を土の中に入れているのだと思われます。土地の改良工事です。それを学生と思われる人たちがおこなっています。

名寄女子短期大学
現在の名寄女子栄養短期大学の前身と思います。教室は研究室が出てきました。ビーカーやフラスコを手にしているところを見ると「栄養素」の研究かもしれません。

名寄職業訓練所
男性が主体で木を削りカンナをかけて組み立てをしています。筆で木に何かを塗ったり、小型のコンプレッサーで塗料を吹きかけています。何ができるのかと思えば「下駄箱」でした。

また、上空に戻り天塩川が映ります。大きな橋を渡ると水田の稲です。この当時も稲の改良をしていたのでしょう。今は美味しい餅米の産地になりました。
大きなタンクが出てきて一升瓶に注いでいます。コメの後ですから、おそらく米酢ではないかと思います。お酒ではないと思いますが!

自衛隊
名寄は自衛隊の駐屯地がある町です。自衛隊の訓練風景が映されています。これも珍しい映像です。
大砲の発砲にはじまり、毎日の体操や独特な剣付きの術などが見れました。

朱鞠内湖
最後は朱鞠内湖にサイクリングで出かける若者たちで、釣りやボートに乗り行楽の風景です。遊覧船もあります。昼食はジンギスカンを囲んで楽しいひと時でした。

写真は現在の名寄駅です

                                以上