鮪ノ岬(しびのさき)

鮪(まぐろ)と書いて「しび」と呼びます。しびとはマグロのことです。
国道229号線を北上し、「しびの岬トンネル」を抜けて少し行くと左手に駐車場があります。

国道沿いから約450メートル日本海に突き出た岬で、岬の岩がマグロのうろこのように重なっているところから、この名前がついたといいます。
輝石安山岩からなる柱状節理で、地中から噴き出した溶岩が縦と横に流れ出し、一緒に冷え固まって柱状の束が縦横にできました。一帯は檜山道立自然公園になっており、青鳩の生息地をはじめとする数多くの野鳥の楽園となっています。昭和47年(1972)に北海道の天然記念物に指定されました。

「灯台になった八助じいさん」の伝説

鮪の岬の北側の漁村が蚊柱村(かばしらむら)と呼ばれていた頃、村に八助(はちすけ)という物知りじいさんが住んでいました。じいさんは若い漁師たちが漁に出ると必ず岬でちょうちんを持ち、灯台の役目をしていました。ある吹雪の夜、漁に出た漁師たちのために、いつものようにじいさんは岬に出かけました。翌朝、漁を無事に終えて戻ってきた漁師たちが鮪の岬でちょうちんを握り締めたまま寒さで死んでいるじいさんを発見。

じいさんの優しさを忘れないよう、今も語り継がれている伝説です。