野寒布岬(ノシャップ岬)

稚内の市街地から左に稚内公園の開基百年記念塔を見上げながら北に向かうと野寒布(ノシャップ)岬があります。この岬は、日本海(利尻水道)と宗谷湾(宗谷岬)を区切る地点となります。
岬名は根室にある日本最東端の納沙布(ノサップ)岬と同じ語源です。

アイヌ語のノッ・サム(not-sam)で「岬が顎のように突き出たところ」「波の砕ける場所」の2つの意味があると伝えられています。
「not-sam」と言っていたのを、宗谷で聞いた人は「ノシャップ」と聞き、根室の人は「ノサップ」と聞こえて漢字を当てはめたのでしょう。(定かではありませんが)

宗谷岬に行くには市街地から、宗谷湾を左手に見ながら東に1時間ほど車で走り、緯度にすると5度北に位置しています。

野寒布岬(ノシャップ岬)は隣の恵山泊漁港に整備された公園で、毎年多くの観光客が訪れています。真ん中にはイルカのモニュメントが建ち、海沿いにノシャップ岬の碑が建っています。イルカのモチーフは、宗谷海峡をイルカが通過したという昔話からのようです。公園から利尻島・礼文島・日本海を望めるのでフォトスポットとなります。

漁港ですから灯台があります。紅白の鮮やかなツートンカラーが特徴で、これが実に高く42.7mと北海道では一番高い灯台。これは島根県日御碕(ひのみさき)灯台に次いで日本で2番目の高さといいます。
明治33年に建てられた稚内灯台で、当初は岬の丘陵地に建てられましたが、米軍ノシャップ基地の増強と拡張により移設を余儀なくされ、昭和41年に現在の位置に移されました。

天気の良い日であれば、夕日の美しい景勝地ですから時刻を見計らって訪れると良いでしょう。駐車場は無料で、公園にはトイレもあります。

周辺には、天体観測や南極観測の資料を展示した青少年科学館、幻の魚イトウをはじめ北方系の魚たちが大回遊水槽で群遊するノシャップ寒流水族館など見どころがいっぱいです。