白糸岬(しらいとみさき)

茂津多トンネルを過ぎると島牧村に入ります。北海道の行政区分は14の総合振興局(かつては支庁)ですが、道央や道南という区分けもされます。この分け方もいろいろな説があり統一されていません。それだけ広く区域の環境も違うということです。
日本海における道南と道央の境目が茂津多トンネルで、島牧村からは道央(札幌や小樽が入ります)圏になります。

北海道の日本海で最南端の白神岬から留萌管内の増毛町までは、山が海に落ち込んでおり海岸線を通るトンネルは日本一の多さがあります。現在通っている国道229号(小樽から江差間)は76本掘られています。
1996年(平成8年)、古平町の豊浜トンネル岩盤崩落事故は最も知られていますが翌1997年(平成9年)に起きた第2白糸トンネル崩落事故はあまり知られていません。人的被害はありませんが、豊浜トンネル事故よりも多量の岩石が崩落しました。

茂津多トンネル(1,974m)を過ぎてから狩場トンネル(1,648m)、兜岩トンネル(1,371m)、そして白糸トンネル(1,806m)で、この間はトンネルの連続で合間に海がチラッと見えるといったところです。
崩落事故があったのは第二白糸トンネルでした。第一もありましたが、崩落後新しい白糸トンネルを造る時に全く別のコースで開削しました。

白糸岬はトンネル通過で見ることはできません。白糸岬の名前の由来は白糸の滝が近くにあるためではないかと思います。
松浦武四郎は、「白糸の 滝は千すじに 見ゆれども 岩にふるれば むすぼれらけり」と詠んでいます。
廻浦日記では、「イロヲマシレハ、此処岬に成、南モツタに対し、北ホロカリハサキと対して突出、岩壁峨々として此処にていよいよ歩を絶つべしと思頃、数十丈上に白糸を乱し懸し如き滝有。是を白糸の滝と云。依てまた此岬を白糸の岬とも云。」

写真は第二白糸トンネルで今は塞がれています。