平成30年(2018)は、明治から150年ということもあって様々なイベントが続きました。北海道を知る良い機会でしたが、50年後の2068年まで片隅に追いやられるのは寂しいことです。

明治維新後、北海道のリーダーとなった人は41名

(三県一局時代は農商務省管轄となりましたので省きました)

開拓使時代(明治2年~明治15年)開拓長官4名、長期は鹿児島県出身の黒田清隆(次官から通算すると12年間)。三県一局時代(明治15年~明治19年)農商務省に北海道事業管理局を置く。

北海道庁時代(北海道知事/明治19年1月~昭和22年5月)31名。主だった人は、初代岩村通俊/高知県、2代目永山武四郎/鹿児島県)。

地方自治法が施行後の北海道知事(昭和22年5月~平成30年)6名。選挙による知事選となり、田中敏文(当選3回青森県)、町村金五(当選3回札幌)、堂垣内尚弘(当選3回札幌)、横路孝弘(当選3回札幌)、堀達也(当選2回樺太)、高橋はるみ(当選4回富山県)で今日となりました。

明治以降のリーダー41名の出身地別
7・鹿児島県/ 4名・佐賀県・岡山県/ 3・北海道/ 2・高知県・京都府・長野県・静岡県・新潟県・広島県/ 1・兵庫県・熊本県・福井県・島根県・和歌山県・山口県・福岡県・宮崎県・青森県・富山県・樺太

2年前(平成28年)台風10号の豪雨で日勝峠が壊滅的な被害を受けました。道央と道東を結ぶ大動脈の切断は北海道経済にとって一大事でした。この時、富良野はラベンダーで知られていても南富良野がどこにあるのかわからない人もおりました。十勝平野を車で走ったことがある人でも、清水町や芽室町は地名すら出てきません。ましてや、「北海道は広いなー」の印象はあっても、この穀物の大地が人の手で開拓されたことを知ると「うっそー」となるでしょう。

平成30年胆振東部地震では、厚真町に北海道の電力供給の半数を担っている火力発電所があることをはじめて知った道民は多かったと思います。

学校教育

札幌市では小学3・4生の社会科副読本として「わたしたちの札幌」があります。自分たちの住んでいる郷土を知るための教科です。ところが、自分たちの町を知る教育はあるのですが「私たちの北海道」という副読本はありません。
従って、日勝峠がどこにあるのかを知らないで大人になる子どもは多いのです。これは教師にも同じことが言えます。納沙布岬とノサップ岬の違いが分からない先生に「北方領土」を教えることは難しいでしょう。また、納沙布岬には、これまで訪れた政治家の写真がズラリと並んでいます。ところが、ここで過去何が起きていたのかを知る政治家はどれだけいたのかです。クイズで問いかけてみてはと思います。

韓国では日本で教える「国語」教科書の内容は「韓国の歴史」だといいます。自国の歴史を学ぶことが国の人材を育成する手段なのです。韓国を旅した人は、日本人を罵倒する場面に出会うことがあるといいます。「お前の国は歴史を子供達に正しく教えていない。教えられない若者を責めることはできないが、お前の親たちが問題なのだ。どうして、自分の国が何をやってきたのかを正しく教えないのか」。このようなことを聞いた日本人は多いのです。韓国最高裁の元徴用工への損害賠償が問題になっていますが、国民に対する教育の違いが根底にあるので根が深いのです。

北海道の鉄道網はもはやずたずたですが、沿線に住む人たち以外は関心があまりありません。北海道人だという意識がなければ関心がなくても当然です。このような環境で育った子どもたちも、18歳になると選挙権を得ます。

歴史教科書の1ページ目は現代から

中学や高校の日本史の教科書は縄文時代から始まりますが、これでは卒業間近になると近現代はじっくりと教えることはできません。先生によってはドンドン飛ばしてしまいますし、進行の遅い先生は第二次世界大戦前に卒業ということになります。

歴史の教科書は現代から始めてはどうかと思います。歴史教科書は毎年改定され、今の総理大臣からはじまります。縄文時代からスタートするよりも生徒の関心はあきらからに違ってくるでしょう。教える先生も真剣にならざるをえませんので、教室は真剣勝負となるのは間違いありません。