興浜北線(こうひんきたせん)
枝幸郡浜頓別町の浜頓別駅で北見線(のちの天北線)から分岐し、オホーツク海沿岸を南下し、枝幸郡枝幸町の北見枝幸駅に至る国鉄の地方線です。
住民の鉄道敷設の請願は明治34年から始まっていました。交通の便がないため検討は大正2年には行われ、北見線の測量時に上幌別(歌登)原野を経て枝幸に抜けてて海岸沿いに稚内に至る計画もありました。これは技術的に無理で、いよいよ鉄道から見放されます。
着工が決定したのは大正15年12月でした。しかし、測量が行われたのは昭和4年5月で、更に線路選定は遅れて昭和7年4月。
工事は昭和8年6月から進められ、昭和11年7月に完成し営業開始されました。
浜頓別ー北見枝幸間30.4キロは客貨混合列車で一日四往復、所要時間は1時間でした。
続いて、北見枝幸ー雄武間の請願は行われましたが、戦時体制に入っていくなかで叶えられませんでした。それどころか、鉄道資材不足で興浜北線のレールを他の重要路線に転用するためレールを撤去。
レールは他に転用されることもなく野積みにされ終戦を迎え、昭和20年12月再びレールが敷設され営業が開始されました。
昭和55年の国鉄再建法施行を受けて、1985年(昭和60年)7月1日に全線が廃止されました。