戸井線
渡島半島の津軽海峡に突き出した戸井村(2004年/平成16年に函館市に編入)は、大正13年全村が津軽要塞地帯に指定されました。
そうして、日中間の紛争が頻発しはじめた昭和11年10月、津軽海峡の防衛上か戸井村への輸送力を強化するために、函館ー戸井間の鉄道建設が決まりました。
函館駅を起点に五稜郭から分岐して戸井に至る32.6キロの区間は、昭和17年には戸井まで残すところ3.4キロとなりました。
五稜郭―瀬田来(せたらい)間で、橋梁51か所とトンネル二か所を含めた25.6キロの区間の路盤工事を完了。しかし、戦局の悪化による資材不足と、海峡通過の艦船攻撃が主な任務である要塞の必要性が薄れ中止になりました。
結局、列車は一度も姿を見せることもなく、昭和46念9月に関係市町村に土地が売却されました。