森進一「襟裳岬歌碑」ーえりも町

昭和49年(1974)1月に発売。演歌歌手がフォークを歌うという画期的な試みで大成功を収めた作品。
森進一は、この曲で同年の日本レコード大賞と日本歌謡大賞をダブル受賞し、NHK紅白歌合戦のトリも務めました。

この歌が流行り始めたころ、えりも町の住民から「えりもの春は何もない春です」というフレーズについて、レコード会社や作詞者に抗議が寄せられました。
『何もない春』とは何事か」ということでしたが、歌が大ヒットして観光客が増えると、住民の不満は一転して岬には歌碑も建てられました。

岡本おさみ作詞・吉田拓郎作曲

 

北の街ではもう 悲しみを暖炉で
燃やしはじめてるらしい
理由(わけ)のわからないことで 悩んでいるうちに
老いぼれてしまうから 黙りとおした歳月(としつき)を
拾い集めて 暖めあおう
襟裳の春は 何もない春です

君は二杯目だよね コーヒーカップに
角砂糖 ひとつだったね
捨てて来てしまった わずらわしさだけを
くるくるかきまわして 通りすぎた夏の匂い
想い出して 懐かしいね
襟裳の春は 何もない春です

日々の暮しは いやでもやってくるけど
静かに 笑ってしまおう
いじけることだけが 生きることだと
飼い馴らしすぎたので 身構えながら話すなんて
ああ おくびょうなんだよね
襟裳の春は 何もない春です

寒い友だちが 訪ねてきたよ
遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ