釧路平野(くしろへいや)

北海道東部の釧路川、阿寒(あかん)川の下流に位置する沖積平野です。
釧路支庁の釧路町,鶴居村,標茶(しべちや)町,釧路市の1市3町村にまたがっています。

太平洋岸に発達する標高5~8メートルの砂丘の北側に総面積の約80%を占めており、標高10メートル未満の低湿な泥炭地が広がり、釧路湿原とよばれています。

砂丘は海岸に沿ってほぼ東西に伸び,海岸から内陸にかけての幅1500mの間に約10列あって,その高さは最高で7~8m,大部分が5~6mの低いものです。
釧路湿原は,中央から北部にかけては厚さ3~5mの泥炭で覆われていますが,周辺では厚さは1m以下です。
2~4メートルの泥炭層の表面には、キタヨシ、スゲ、ハンノキなどの植物が生育しています。

道路を渡る鶴

平野面は北西から南東へ緩やかに傾斜し東部に海跡湖の塘路(とうろ)湖、シラルトロ湖、達古武沼(たっこぶぬま)が点在しています。

海面との低落差に基づく排水困難、海霧による夏期の低温などの要因により、湿原開発は釧路市周辺部、湿原周縁部など一部に限られてきましたが、1970年代から90年代にかけて、農地、宅地、観光などの開発が活発になりました。

未開発湿原の保護を目的に、国の天然記念物指定(1967)、ラムサール条約への登録(1980)、釧路湿原国立公園の指定(1987、268.61平方キロメートル)が行われてきましたが、指定区域外での開発の影響も指摘されています。
特別天然記念物タンチョウが湿原地帯に営巣しています