大通公園の黒田清隆像は鹿児島県人

札幌の街にでると「北海道150年」の垂れ幕を見るようになりました。しかし、150年といっても重要なのは明治元年からの50年にあります。飛行機と同じで離陸に伴うエネルギーは並大抵のものではありません。

1869(明治2)年開拓使が設置され、北海道開拓が本格的に開始されます。開拓事業は、アメリカをはじめとする欧米先進諸国の近代技術を導入しておこなわれましたが、それを決定したのは黒田清隆でした。大通公園11丁目に黒田とケプロンの銅像が建てられています。(100年目の記念で建てられました)

開拓使15年間、三県1局が3年間、そうして明治19年からは今の道庁時代が始まります。大正10年(約50年間)までは暗中模索の時代でした。

黒田清隆は薩摩藩士(鹿児島県人)で、伊藤博文の後、第2代内閣総理大臣になった人物です。

箱館戦争で新政府軍の大将として勝利し、開拓使長官となりました。蝦夷地の開拓で新政府は札幌都市判官として佐賀藩島義勇を任命しますが、わずか三か月で首となり、その後土佐藩の岩村通俊が続きますが、黒田は他藩の逸材をことごとく排除して薩摩出身者を抜擢していきます。

屯田兵の父となり、道庁の二代目知事となった永山武四郎も薩摩藩士。軍都の町となる旭川に第七師団を創設したのも永山武四郎です。

北海道という原始林を開発するにあたり、けん引したのは薩摩藩(鹿児島県人)で、その担い手となったのは私たちの祖先である都府県からの移住者たちです。しかし、屯田兵入植の前に道を作り鉄路を作ったのは明治14年から始まった監置所の囚人たちであったことを忘れてはなりません。

昭和10年には北海道の人口は300万人を超えており、46都府県からの大移動でした。出身県別の戸数は下の一覧ですが、ベスト10は東北と北陸で占められています。

移住者の出身府県(単位:戸) 1882(明治15)年~1935(昭和10)年

1. 青森県 68,855
2. 秋田県 64,067
3. 新潟県 61,636
4. 宮城県 51,831
5. 富山県 48,445
6. 石川県 47,901
7. 岩手県 40,318
8. 山形県 39,009
9. 福島県 33,122
10. 福井県 27,392
11. 東京都 21,862
12. 徳島県 17,970
13. 岐阜県 15,297
14. 香川県 14,367
15. 広島県 10,777
16. 愛知県  9,377
17. 愛媛県  9,239
18. 兵庫県  9,047
19. 鳥取県  7,665
20. 茨木県  6,950
21. 滋賀県  6,533
22. 長野県  5,956
23. 高知県  5,810
24. 岡山県  5,563
25. 栃木県  5,473
26. 静岡県  5,234
27. 奈良県  5,049
28. 大阪府  5,033
29. 福岡県  5,017
30. 山口県  4,951
31. 神奈川県 4,948
32. 三重県  4,914
33. 千葉県  4,670
34. 山梨県  4,642
35. 和歌山県 4,559
36. 群馬県  3,891
37. 埼玉県  3,890
38. 京都府  3,751
39. 熊本県  3,481
40. 島根県  3,150
41. 佐賀県  2,602
42. 鹿児島県 2,505
43. 大分県  2,472
44. 長崎県  1,500
45. 宮崎県  624
46. 沖縄県  67
47. その他  5,794